'17 川越放浪記 (2)
…夕方五時過ぎに、宿を出発。
県道を通って、札の辻に向かう。
五時半で、この暗さ。
厚い雲に覆われているせいもあるが、街灯に照らされて雨に濡れた道が浮かび上がる。
六時前に、札の辻に到着。
山車が勢ぞろいして、一斉にお囃子を演奏しあう『曳っかわせ』が行われる場所だが、巡行している山車が少ないので無理かもしれない。
しかし中止の案内は無いので、しばらく待機する。
雨は弱くなったが、完全に止んではいない。
何せ翌日は、一日雨の予報。
結局、雨の中の祭りになった。
待つこと約三十分、山車が一台やって来る。
雨よけのビニールに包まれた提灯の灯りが幻想的にも見えるが、てっぺんに人形を出した完全体ではない。
来たのは、六軒町の山車。
交差点には一台だけ。
しばらくお囃子を見せた後、ゆっくりと屋台を三回回して市役所の方に向かって行った。
来年は、秋晴れの中で『曳っかわせ』を見て盛り上がりたいものだ。
折角なので、夜の川越を散策してみる。
市役所を経由して、川越氷川神社へ向かう。
昼間見た山車。
巡行に出る際に、すっぽりとビニールを被って氷川神社に立ち寄ってから、おそらく最後の巡行に出発した。
山車を見送って、氷川神社の境内に。
神様はお休みになられたが、お参りはしておく。
ここから、昼間の逆のコースを歩く。
川越城本丸御殿。
真っ暗で、かろうじて屋根だけが確認できる。
静まり返った住宅地を抜けて行く。
成田山川越別院。
本堂の明かりだけが見える。
そして、喜多院の参道。
雨に濡れた参道に、全く人がいない。
参道の真ん中を、一人でゆっくりと進んでいく。
静寂に包まれた、喜多院の境内。
もし川越の住民になったら、夜の散歩コースになるだろう。
明日は、放浪二日目。
雨は、どのくらい降るのだろう。
途中で夕飯を買って、宿に戻る。