歴史放浪 '16 (4)
全国の東照宮の中で、特に『三大東照宮』と云われている東照宮がある。
一つ目は、日光東照宮(栃木県日光市)。
二つ目は、久能山東照宮(静岡県静岡市)。
そして三つ目を称するのは、主にこの三ヶ所。
1.仙波東照宮(埼玉県川越市)
2.鳳来山東照宮(愛知県新城市)
3.世良田東照宮(群馬県太田市)
今回の歴史放浪で3番目の世良田東照宮を訪れたわけだが、長楽寺の境内を歩いている時に気になる建物を見つけた。
それは、三仏堂。
三仏堂は、日光放浪でも登場した輪王寺にもある。
そして輪王寺は、長楽寺と同じく天海が住職を務めていた。
さらに前回の歴史放浪で触れたように、世良田東照宮の建物は、日光東照宮の旧社殿を移築したものだった。
そして気が付いた。
天海は、ここを『第二の日光』にしようとしたのではないかと。
そう思ってもう一度長楽寺を見回すと、天海の用いた『仕掛け』が見えてきた。
それは、彼が江戸を守護するために仕掛けた様々な『見立て』を、ここでも行っていたのではないかと思うようになった。
そして、“三番目の東照宮”の候補の中で、もう一つ、天海の『見立て』によって建立された東照宮がある。
埼玉県川越市の喜多院の隣に鎮座する、仙波東照宮だ。
では、天海が双方の東照宮で使った『見立て』は何なのか。
これからの桜紀行『川越編』で、少し触れてみようと思う…。